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JSPS OB体験談

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ナント大学 (2013年11月19日)

JSPS OB からのメッセージ

氏名: Dorian McILROY
現職: 教員・研究員
JSPS事業名: Bourse EU-JSPS
滞在期間: 1997年12月1日〜1999年8月31日
研究テーマ: アポトーシス生化学
日本での受入先: 大阪大学、長田重一教授 

1. 所属期間の紹介

ナント大学は、3万人以上の学生(内、約10%が外国人学生)が在籍する、学際的な大学です。
生物医学に関しては、保健学キャンパスにある研究所は、免疫学、がん、移植、心臓血管疾患、細胞療法、遺伝子治療の分野で知られています。 http://www.sfrsante.univ-nantes.fr/

2. 日本での滞在に関するコメントとメッセージ

 私は、自分にとって初めてのポスドク赴任先に日本を選びました。というのも、1994年に横浜で行われたAIDS国際学会の折に、既に日本に訪れたことがあるからです。さらに、日本の研究水準が素晴らしいことも知っていたからです。

 日本の研究室の雰囲気は全然違いました。研究グループに溶け込むことが、効率的に働くために、また、同僚や学生との親交を深めるためにとても大切だ、というのは型にはまった言い方です(が、事実でもあります)。そのため、研究室のミーティングには必ず参加し(自分の日本語レベルでは全て理解できなくとも)、研究室のルーティンワークの自分の当番を退屈そうにこなすことが重要でした。そのかわり、他の人の働くリズムに合わせる必要はありませんでした。大まかには、皆、夕方の5〜6時頃に食事休憩をとって、大体夜の9〜10時頃まで毎日働いていました。私はというと、自分のプロジェクトが順調に進んでいる限り、比較的早く(夜の7時半頃)に帰宅していましたが、それで非難されたことはありません。もし、(研究室に)しっかり馴染みたければ、飲み会、週末のスキー、釣、花見、温泉旅行などの、様々な懇親イベントに研究室の同僚たちと参加すると、早く親しくなれます。

 研究室で印象に残っている出来事は、ごみ処理担当者との口論です。その時、ごみ処理担当者は、医学部全体にあり得ないような制度を強制させていました。ごみを出す前に、まずオートクレーブで滅菌し、中を開けて、プラスチックごみ、紙ごみ、その他のごみをそれぞれ別のゴミ袋に分別しないといけませんでした。そうしてから、ごみを出しに行きますが、ごみ回収場所では、きちんと分別されているか、大学職員による綿密な調べを受けてから、捨てるようになっていました。ある日、私がごみ捨て当番だったので、市のごみ回収車が来る時にごみを出しに行きました。私はそこで、医学部職員が、私たちが時間をかけて分別したゴミ袋の山を、乱雑にごみ回収車に放り込んでいるのを目撃しました。せっかく分別したごみを全て、再びごちゃ混ぜにされたのです。私たちの努力が完全に無駄だったことに、私は怒りを覚えました。そして、誰もこのことがおかしいと思わないことに、私は本当に驚きました。いや、あ然とさえしました。

 この話の教訓は何か、ですか?きっと、日本人にどうやってもっと文句を言うのか教えてあげられるのではないでしょうか。それに、それが日本にいるフランス人研究者の重要任務にちがいありません。


エクス・マルセイユ大学 (2013年9月19日)

JSPS OBからのメッセージ

氏名 : Yann TERNOIS
現職 : 教員研究員
JSPS事業名: 外国人特別研究員
滞在期間 : 1997年6月-1999年8月 
研究テーマ : アイソトープ・分子有機地球化学
日本での受入先 : 研究所:(北海道大学)低温科学研究所、研究室責任者:河村公隆 教授

1. 所属機関の紹介

CEREGE(環境地球化学研究教育センター)には約140名の常勤職員(教員研究者、研究員、技術スタッフ、テクニシャン、事務職員)がいる混合ユニットで、コレージュ・ド・フランスと提携して、エクス=マルセイユ大学(7万人以上の学生が在籍するフランス語圏最大の大学)、CNRS、IRDが管轄しています。CEREGEは、理論的アプローチ、方法論的アプローチ、技術的アプローチによる、非常に学際的な研究拠点です。研究対象・テーマは、惑星科学、地球力学、気候学、地質考古学、岩石学、水文地質学、土壌学、物質、流動学と、多岐に渡ります。

詳細はこちらのサイトをご覧ください。https://www.cerege.fr 

2. 日本での滞在に関するコメントとメッセージ

パリで分子地球化学分野における博士論文発表を終えた後、私は、研究の卓越性が国際的に認められていて、かつ設備の充実した最先端の研究所で学びたいと思いました。特に設備が充実していることは、私にとって最も重要なことでした。というのも、私は、当時まだ試験的だった解析技術を開発し、環境に応用することを目指していたからです。私は、受入可能な研究所の中から、札幌にある北海道大学低温科学研究所の河村教授率いる、有機地球化学・大気化学研究所を選びました。

約2年間、この研究所で学び、日本の北部に位置するこの少し独特なまちに親しみました。そこは、静かで、広々として、お祭り気分のある、冬のまちでしたが、同時に、ブロックによる都市化計画をしている、とてもアングロサクソンな面もありました(私の住所はたしか、北18条西3丁目でした)。他に驚いたことは、冬!10月末から4月初めまで9mもの雪が積もるので、道路の除雪作業は必ず失敗する運命にありました。だから、自動車も歩行者も凍結した車道の雪の吹きだまりの間を通っていました。暖をとるには、すすきのの屋台を良く知っている人に付いていって、熱々のラーメンをすすったり、大通の居酒屋に行ったりしました。東京のように英語が通じるので、滞在の初めの頃には助かります。

研究所では、印象的なことがいくつもありました。1つめは、修士の学生のものすごいやる気です。彼らは年度末には寝袋を持って、研究室に泊まっていました。2つめは、私を常に支えてくれた助教の先生とテクニシャンの方のご尽力、特に日本語で書かれた解析機器の取扱説明書を理解しないといけなくて辛いときの……。3つめは、みんなが参加するセミナー後のお茶会などの、懇親会の大切さです。

まちで、最も私が感動したことは、春の桜、そして人々の礼儀正しさでした。

私は日本の同僚たちと共同研究を続けていて、特に河村教授と関宰博士とは、 後期更新世の気候変動に関する研究の論文共同執筆のため、研究交流(2年前に4ヶ月間の札幌滞在)や国際プログラムに取り組んでいます。

未来のJSPS研究奨励金獲得者へは、日本語という、美しくて、それほど難しくない言語を学ぶことをお勧めします。会話に必要な英語と少しの日常的な日本語が使えれば、道は開けます。


コルシカ大学 (2013年6月20日)

JSPS OBからのメッセージ

氏名 : Jean-Baptiste Filippi
現職 : CNRS研究員
JSPS事業名 : 外国人特別研究員(欧米短期)
滞在期間 : 9ヶ月(2004年3月~12月)
研究テーマ :  藻類の数的シミュレーション
日本での受入先 :  東京大学大気海洋研究所小松輝久准教授

1. 所属機関紹介

UMR環境科学6134は学際的な合同研究ユニット(CNRS、コルシカ大学)で、天然資源の習得、管理、開発及び複雑な自然システムのダイナミクス解明についての研究プロジェクトを進めています。

研究所は64名の研究員・教員、51名の博士課程学生、25名のポスドク・非常勤研究員、15名の研究補佐員・事務員で構成されています。また、次の5つの研究プロジェクトと1つの基礎研究グループで研究を行っています。

–EnRプロジェクト:再生可能エネルギー
–FEUXプロジェクト:山火事
–RNプロジェクト:天然資源
–GEMプロジェクト:地中海水域の管理・開発
–TICプロジェクト:情報通信技術
–COMAグループ:場・波・応用数学

2. 日本での滞在に関するコメント

私は2004年に9ヶ月間、東京大学海洋研究所の小松輝久先生の海洋行動生態グループにポスドク(JSPS外国人特別研究員(欧米短期))で滞在しました。

日本の文化的魅力以上に、東京大学で行われている研究の質の高さと、この分野で有名な研究室で研究を進めるチャンスに魅かれ、JSPSプログラムに応募しました。指導教官(小松輝久先生)は、きめ細かく私を迎え入れてくださり、研究所の事務の支援のおかげで、入国前も日本滞在中もスムーズに手続きができました。東京では家具付きのアパートを楽に見つけることができ、学生や研究室メンバーは、私の到着直後の日本での手続き(銀行、入国管理局、スポーツ)の説明にたくさんの時間を費やしてくれました。

グループのメンバー(学生、教員、研究員、事務員)は、私をすぐに仲間に入れてくれ、多くの行事(カラオケやサッカー、レストランでの食事)に誘ってくれました。

強いて難点を挙げるならば、一部の学生や研究室メンバーの英語レベルがそれほど高くありませんでした。しかし、私は日本語の集中講座を受けていたので、3ヶ月後には短い会話ができるようになりました。結局、何も問題なく、非常に良い条件で研究することができました。

私は、日本の生活も大好きでした。日本は素晴らしい国です。交通の便も治安もとても良く、どの都市も自転車で十分回ることができ、街角で色々な感動や驚きを発見しました。日常の食べ物も祭日の食事も、評判通りの美味しさで、日本に対する満足度の高さに確実に貢献していると思います。

仕事に関しては、今回のポスドク経験は私にとって多くの可能性を開いてくれました。特に、コルシカ大学のような小さい大学出身者にとって、この滞在は「履歴書」に箔を付けるものととなり、その後、主要な国際気象学センター、そして、CNRS研究員(調書の最初の質問が「海外でのポスドク経験がありますか」でした)への採用につながりました。 

※原文はフランス語、JSPSにて翻訳しています。(2013年7月現在)

 

Photo 1 : 同じ研究グループのTanue君、研究所の屋上で。
Photo 2 : 海洋研究開発機構(横浜)の地球シミュレータの前で。地球シミュレータは世界一の性能(2004年)のコンピュータで、筆者らも海洋大循環シミュレーション研究(OFES)の海流シミュレーションに利用した。


エクス・マルセイユ大学 (2013年1月18日)

JSPS OBからのメッセージ

氏名:Stephane Delliaux
現職:エクス・マルセイユ大学病院医師・准教授
JSPS事業名 :外国人特別研究員(欧米短期)
滞在期間 :2009年5月-2010年5月
研究テーマ : Physiologie de la circulation sanguine et sa régulation
日本での受入先 : 筑波大学人間総合科学研究科西保岳教授

1. 所属機関の紹介
私は現在、エクス・マルセイユ医学部と国防省の合同研究ユニットUMR MD2「組織酸素代謝失調−活動亢進」に所属しています。本研究ユニットでは、休息時または活動時の異常な酸素添加に対する生理学、生理病理学上の影響を研究しています。この研究室はエクス・マルセイユ大学に所属します。

エクス・マルセイユ大学(AMU)は国内で7の卓越した大学の一つに選ばれており、また、学生数と予算上、フランスで最も大きい大学です。エクス・マルセイユ大学では芸術、文学、語学、人間科学、法・政治学、経済・経営学、保健・医学、科学・技術、教員養成など、あらゆる分野にわたる学際的な講義が数多くなされています。上海大学ランキングでは102〜150位層にランキングされており、1万人以上の外国人学生を受け入れてきました。未来志向の大学で皆さん気に入ってくれると思います。 

2. 日本での滞在に関するコメントとメッセージ
挨拶と自己紹介をし、無事に到着したことを確かめた後、日本の受入研究者からの最初の質問が「どうして日本を選んだのか?」でした。私はこれに対し、自分は根っからの研究者であり、だからこそ新しい経験と知識を常に求め、プロフェッショナルであると同時に人間であるからと答えました。また、日本は科学に卓越しており、固有の文化を持っていることにも自然と惹きつけられました。こうした独自性が、我々西洋人にとって、日本を別世界にしています。正反対というわけではありませんが、全てが異なります。

仕事面では、とりわけ問題への取り組み方、その方法に興味を持ちました。その上、日本人の仕事への没頭ぶりは単なる神話ではありませんでした。例えば、病気でも出勤すること、プロ意識、完璧主義等があげられます。

受入研究者の手配により、国際学会への参加や学会での招待講演、国内の他の研究グループとの出会い等、研究者としての経験を積むことができました。個人的には、日常生活のすべてが冒険でした。日本の通りを歩くこと、食料品を買うようなことまでも驚きでした。忙しい研究生活でしたが、週末と祝日は日本を楽しむことができました。大都市(東京、京都、大阪、神戸、広島、札幌等)を訪れたり、スキー場に行ったり、相撲の試合や剣道の練習、伝統的なお祭りを見に行ったり、さらには富士山の頂上に登ることもできました。

なかでも、特に心に強く残っている経験が2つあります。1つ目は、学会の合間でしたが、第二次世界大戦時の神風特攻隊に所属していた祖父を持つお孫さんと一晩、その時代とその祖父の振る舞いに対する見解について語り合ったことです。2つ目は、広島-原爆ドームの眺め、広島平和記念資料館の見学、生存者との2時間以上におよぶ面談でした。こちらはさらに強く印象に残り、恐らく自らの人生に最も深く刻まれたことの一つとなりました。好きであれ、嫌いであれ、日本に対して無関心ではいられないのです。個人的には日本が大好きです。1年間で一人も嫌だと思う人に出会いませんでした。

日本と築き上げたつながり、日本の友人たちと交流し協力を続けるのにはこうした理由があるのです。友人たちの中には海外でポスドクをしている人もいれば(オレゴン大学のDr. Fujii)、「准教授」(明治大学のDr. Ichinose)や「教授」(筑波大学西保教授)になった人もいます。滞在から3年が経ちましたが、一緒に実験データの分析を続けたり、共著論文の準備もしています。以前の日本の同僚を自分の研究室やかつて所属していた研究室に招へいする計画があり、彼らも喜んで承諾してくれましたが、具体的にはこれからです。また、国際会議では定期的に顔をあわせています。

日本滞在時に築き上げたこうした関係は、個人的でもあり仕事上のものでもあります。こうした経験を一言で締めくくり、将来のJSPSフェローへのメッセージとして次の日本のことわざを贈ります。
「すべての出会いは大切です、もしかすると一度きりかもしれないから。(一期一会)」
最後に日本人にも素敵な言葉を贈ります。
“Please enjoy!”

※原文はフランス語、JSPSで翻訳しています。(2013年1月現在)

Some experiments After work


ロレーヌ大学 (2012年7月4日)

JSPS OBからのメッセージ

氏名 : Jérôme DINET

1. 所属機関の紹介

所属研究室ETICは2014年初めには「PERSEUS研究グループ」に変更されます。ETICはフランス北東部ロレーヌ地方ロレーヌ大学のメッスキャンパスにあります。研究内容は社会的・技術的相互作用を通じた相互認知過程に関する研究及び特別な要求を必要とする人々(例えば、子供、視覚・運動障害のある人々、移民、高齢者、エンドユーザー、消費者等)の教育と環境に関するフィールドワークの二つに分類されます。研究室のメンバーは心理学、人間工学、コンピュータサイエンスの専門家からなります。我々の研究目的は(1)不適応の種類を分析し、認知・社会心理学に従ってモデル化、(2)こうしたモデルを用いてデバイスやサービスをデザインし、実験や実際の状況を通じて人間工学的に評価を行うこと、(3)デバイスが用いられる状況と関連した心理・社会的変化の調査、にあります。

2. 日仏先端科学シンポジウムに参加して

私はJFFoS日仏先端科学シンポジウム(2012年フランス・ニース開催)に出席し、工学からコンピュータ科学に渡る日仏研究者と若いエンドユーザーや高齢者のための革新的なシステムのデザインと利用可能性について意見交換を行いました。シンポジウムの期間中、とても充実した議論を交わすことができ、多くのことを学びました。(例えば「完成工学」や「日本的」ウェブデザイン、人間-ロボット相互作用等。)JFFoS以来、同じテーマに関心のある日本人研究者と連絡を取り合っています。最近、共同でいくつかの研究プログラムを提案し、論文を出版しました。こうした経験からフランス人研究者へのJFFoS参加を強く勧めます。

※原文はフランス語及び英語、JSPSにて翻訳しています。(2013年1月現在)

 


ブルゴーニュ大学 (2012年11月19日)

JSPS OBからのメッセージ

氏名 : Jean SUISSE
現職 : ブルゴーニュ大学講師
JSPS事業名 : 外国人特別研究員(一般)
滞在期間 : 2009年11月から2010年8月
研究テーマ : Étude de la mobilité des porteurs de charge en milieu auto-organisé (phases cristal liquides et cristal liquide ioniques) 
日本での受入先 : 産業技術総合研究所関西センター清水洋教授

1. 受入機関の紹介

大阪市から20分の池田市にある産業技術総合研究所(AIST)関西センターは、 産学連携の多様な活動を行う多数の研究室を統合した学際的な公的研究機関です。私は、清水洋教授率いる「ナノ機能合成グループ」にポスドクとして滞在しました。同グループでは、原子・分子集合体の静的・動的秩序の制御が可能な単一特性を持つ材料とシステムの合成、研究を行っています。

2. 日本での滞在に関するコメントとメッセージ

私はJSPSの国際交流事業である2009年度外国人特別研究員(一般)でポスドクの奨学金を得ることができました。4月に書類を提出し、7月に結果が通知されました。全てが迅速で、博士論文審査会の半月後には日本の地に立つことができました。空港の出口で、日本の受入研究グループの責任者である清水洋教授とその学生のMr.  Yasuo Miyakeが私を迎えてくれました。

最初の瞬間から、清水教授は熱心にホストの役割を果たしてくださいました。私が問題なく落ち着いたことを確かめ、研究生活に必要なものを揃えてくださいました。また、清水教授のおかげで、日本の様々な面(伝統的な日本料理、お祭り、長野でのウィンタースポーツ、豊かな文化、歴史等)を発見することができました。日本語や日本の伝統に関する山ほどの(!)質問に適切な回答をするために先生がいつも時間を割いてくださったことに、感謝しています。私が日本滞在を満喫できたのは、清水教授がいつも非常に熱心に対応してくださったおかげです。

同時に、その分野では最高の研究グループで研究を行うというチャンスに恵まれました。また、信頼に足る勤勉で温かい同僚達は熱心に自らの研究を行いつつも、必要とあればすぐに助けてくれました。

結局、私の日本滞在は10ヶ月ほどとそれほど長くありませんでしたが、学生達が同様の機会に恵まれることを願っています。(私はブルゴーニュ大学で講師(Maître de Conférences)の職を得たため、フランスに帰国しました。)ポスドクを希望する学生が、この体験談を読むことで、JSPSの事業を利用し日本で研究する機会を得てみたい、と思ってくれることを期待しています。西洋文化とは全く異なる1000年の伝統を持つ豊かな国を発見できることは素晴らしい体験で、日仏両国の実り多き協力関係を新たに築く機会になると思います。

-なぜ日本で研究を行うことにしましたか?
2008年12月に、当時在籍していたストラスブールの研究室と立命館大学草津キャンパスの中村尚武教授の研究室との交換プログラムで、日本に行き、学会で発表する機会に恵まれました。それは私にとって素晴らしい体験で、もっと長い期間滞在したいと思ったからです。

-フランスと日本との違いは何ですか?(研究面でも日常生活でも)
全て。朝、同僚に会った時の挨拶から、夜、帰宅するとき、食堂での食事まで。実験の進め方も同じではありませんし、他人との関係の築き方も同じではありませんが、自分たちの研究を進めたいと思う気持ちとコミュニケーションをとりたいと思う気持ちは共通して持っています。

-日本滞在中に最も印象に残ったことは何ですか?
私は何よりも、いつでも手助けしてくれる日本人の優しさを感じました。ある日の夕方、山で本数の少ない街行きのバスを長時間探していましたが、結局宿屋のおじさんに道を尋ねることにしました。おじさんは英語を話せず、私の日本語力では彼が必死で伝えようとしていることを理解できませんでした。このような行き詰まった状態で、その人はレストランから出て、自分についてくるように私に身振りで示し、素早く曲がりくねった山道に入っていきました。彼は背広にネクタイ姿、私はハイキング道具を背負った姿で、我々はバスに追いつくまで15分近く走り、私はぎりぎりのところでバスに乗れました。おじさんの伝えたかったことは、もし私が急いでバスを見つけなければ、その日の最終バスを逃してしまう、ということでした。

-未来の研究員にメッセージをお願いします。
ためらわない!チャンスを掴んで!
日本は文化、歴史、伝統豊かな古の国で、そこに住む者に多くのことを発見させてくれます。永久に!

※原文はフランス語、JSPSにて翻訳しています。(2013年1月現在)


ペルピニャン大学 (2012年10月9日)

JSPS OBからのメッセージ

氏名 Thierry Noguer
現職

ペルピニャン大学教授、IMAGES所長

JSPS事業名 外国人招へい研究者事業(短期)
滞在期間 1998年1月~1999年6月
研究テーマ 生体物質捕獲と環境
日本での受入先 東京大学先端科学技術研究センター 軽部征夫教授
1. 所属機関の紹介

IMAGES(EA4218)は、ペルピニャン大学の研究所で、地球環境と健康のモデル化と分析に関する研究を行っています。研究方針は以下の通りです。

方針1:
地中海の酸性化
−地中海中の二酸化炭素の分圧と全圧、及びアルカリ性の全圧の測定
−地中海中への人間による二酸化炭素の浸透の評価
−地中海の酸性化の評価

河川と潟の水質へ人間の活動が与える影響に関する研究
−栄養分、水中の有機物、植物性バイオマスの解析による水質評価
−特異的蛍光マーカー(トリプトファン)による浄化施設の排出追跡調査
−蛍光による天然有機物の解析

方針2:新しい解析ツール
人的及び天然汚染物質の迅速な現場検出のためのセンサーとバイオセンサー(酵素、免疫、アプタマー)の開発:
−農薬
−重金属
−シアノバクテリア毒素
−ホルモン 等 

2. 日本での滞在に関するコメントとメッセージ

私は、東京大学先端科学技術研究センター(RCAST)の軽部征夫教授のグループでポスドクをしました。私の研究指導者は佐々木聰助手(当時)で、それ以来の友人です。

日本滞在中に出会った人々とは、今も研究者として関わっています。佐々木聰教授(東京工科大学)、三林浩二教授(東京医科歯科大学)は、客員教授として我々の研究室に滞在しました。早出広司教授(東京農工大学)との共同研究の中で、坂口あかねさんはフルクトシルアミンオキシダーゼ活性の電気化学的検出に関する学位論文の研究の一部を私の研究室で行いました(2003-2004年)。

日本滞在の思い出は素晴らしいもので、2002年に日本の同僚を訪ねる機会に恵まれました。残念ながら、それ以後は日本を再訪するチャンスが今のところありません。

※原文はフランス語、JSPSで翻訳しています。(2012年10月現在)


JSPS OBからのメッセージ

氏名 Philippe Langlois
現職

ペルピニャン大学教授

JSPS事業名 外国人招へい研究者(長期)
滞在期間
2004年10月
研究テーマ 自動識別
日本での受入先
中央大学大学院理工学研究科 久保田光一教授
1. 所属機関の紹介

所属研究室のDALI(デジタル構造とソフトウェア情報学研究室)はペルピニャン大学の情報科学研究チームで、CNRSとの合同研究所LIRMM(モンペリエ情報、ロボティックス、マイクロエレクトロニクス研究所)に属します。DALIは、数値計算、組み込み計算のパフォーマンス向上に貢献しています。

2. 日本での滞在に関するコメント、メッセージ

研究滞在時には、ENSリヨン /INRIA研究員のDr. Nathalie REVOLが同行した。

1. 中央大学大学院理工学研究科久保田教授の研究室訪問
セミナー発表を2回行い、久保田教授の修士課程の学生対象の講義に出席した。また、久保田教授のソフトウェア開発と研究についての理解を深めるための勉強会を何度も開催した。

2.九州大学理学部数学科のSCAN 2004*1への参加
九州大学理学部数学科におけるSCAN 2004シンポジウムに参加し、同学科を訪問した。

今回の訪問のきっかけとなった純粋な科学的関心に加え、学問分野が異なる二つの研究機関での滞在を通して、日本の大学人、大学の機能をよりよく理解し、新たなコンタクトを容易に見つけることができた。その結果、早稲田大学の大石教授*2等との協力を進めることもできた。こうした他の研究者との交流は両国の若い研究者の相互の長期滞在を可能とした。(大石教授、荻田教授*3、Dr. Graillat*4がProf. Langloisの招待で滞在。)

注)
*1 11th GAMM-IMACS International Symposium on Scientific Computing, Computer Arithmetic, and Validated Numerics
*2 早稲田大学基幹理工学部大石進一教授
*3 東京女子大学教養学部荻田武史教授
*4  Dr. Stef Graillat (Universite Pierre et Marie Curie講師)

※原文はフランス語、JSPSにて翻訳しています。(2012年10月現在)

 



ル・アーヴル大学 (2012年9月20日)

JSPS OBからのメッセージ 

氏名 : Jorge PEIXINHO
現職 : CNRS主任研究員
JSPS事業名 : 外国人特別研究員事業(一般)
滞在期間 : 2006-2008
研究テーマ : Bubble behaviour in pipe flow
日本での受入先 : 東京大学大学院工学系研究科 松本洋一郎教授

1. 所属機関の紹介

ル・アーブル大学音波と複合媒質研究所(Laboratoire Ondes et Milieux Complexes、CNRSとの合同研究所)

2.日本での滞在に関するコメントとメッセージ

私は、外国人特別研究員制度を利用して2006年から2008年に東京大学で研究しました。日本の生活習慣には驚くことばかりで、毎日がコミュニケーションという挑戦の連続でした。ですから、大学での日本語の授業はとても役立ちました!日本は、その自然、食文化、地理的にも、建築上もフランスとは大きく異なり、温泉や武道、仏像など素晴らしい文化を持つ国です。

フランスから見ると、日本の研究は独特で応用研究が盛んです。ロボットの国では当たり前のことかもしれません!研究室では研究手段が重視されており、また、研究環境はとても興味深いものです。研究室では自らプロジェクトを提案し、研究室に溶け込む必要があります。自らがプロジェクトの主体となり、独立して研究を行います。教授は多くの業務と学生を抱えているので、一人一人の研究が重要な位置を占めます。

最初は実験からスタートしたため、新しい技術と数値シミュレーション法を学ぶ必要がありました。また、分野を超えた学際的な研究室にも馴染まなければなりませんでした。日本で出会った個性豊かな同僚達とは、後に学会で再会しました。日本での経験は、次の研究室でポスドクをするまでのちょっとした自己成長につながった気がします。 

  

研究室のある工学研究科の建物
東京大学安田講堂

※原文はフランス語、JSPSにて翻訳しています。(2013年1月現在)


EHESS - 社会科学高等研究院 (2012年4月12日)

JSPS OBからのメッセージ

氏名 : Xavier PAULES
現職 : EHESS講師
JSPS事業名 : 外国人特別研究員
滞在期間 : 2005年10月~2007年9月
研究テーマ : 中国南部におけるアヘンとギャンブル
日本での受入先 : 東京大学高見澤磨教授 

1. 受入機関の紹介
東京大学東洋文化研究所 

アジアに関する様々な分野の研究者が所属する研究所。全員が有名な研究者で研究者同士の交流も密に行われています。東洋文化研究所には素晴らしい図書館があり、ポスドクとして日本に滞在している間に頻繁に利用しました。

2.日本での滞在に関するコメントとメッセージ

日本でのポスドクを選んだ理由は、中国史研究のレベルが非常に高く、また、中国史を専門とする者にとって日本語の習得が重要な切り札となるためです。その点 で、日本滞在は特に有意義で、日本を選んだことを少しも後悔していません。研究を行う上での精神面、物質面での環境は素晴らしいです。

日本での生活はとても豊かで興味深いものです。ただし、日本語が話せない人を助ける環境が整っているとはいえ、日本語を学ぶ努力をすることは必要だと思います。

ポスドクとして私が感じた唯一の不便は、何人かの有名な研究者とディスカッションする場を持つことが難しかったことです。しかしこれは日本に限ったことではありません。

 ※原文はフランス語、JSPSにて翻訳しています。(2012年10月現在)


パリ第五大学(2011年9月14日)

JSPS OBからのメッセージ(ソルボンヌ大学)

氏名 Sophie BUHNIK
現職 招へい研究者(ポスドク)
JSPS事業名 サマープログラム、外国人特別研究員
滞在期間 サマープログラム(2010年6月~8月)、外国人特別研究員(2012年4月~2013年4月)
研究テーマ 大阪都市圏における都市の衰退、移動、都市資源へのアクセス
日本での受入先

2010年:大阪市立大学大学院創造都市研究科矢作弘教授
2013年:立命館大学公務研究科加茂利男教授

日本での滞在に関するコメントとメッセージ

-なぜ日本を選んだのですか?
以前から日本社会に強い関心を持っていました。地理学・都市計画の修士2年まで、日本で都市研究を行う計画を真剣に検討していましたが、渡航費や言語習得、家族と離れ離れになってしまうことを考えると難しい問題でした。また、当時フランスでの所属研究室は東洋文化や日本が専門ではありませんでした。

しかし、私の大学(パリ第一大学(パンテオン・ソルボンヌ)ネットワーク・産業・開発研究センター及び研究室(ネットワーク・産業・開発研究センター(CRIA)、都市地理学研究グループ(UMR Géographie-cités))の支援、人口的・経済的・社会的に「縮退」する都市(shrinking cities)に関する国際的な研究ネットワークのおかげで、日本が革新的な研究領域と認められました。アングロサクソンやヨーロッパの都市モデルを自国の都市に適応させた日本を研究することで、新しい知見を見出せると期待されたからです。また、日本の地方自治体が今日立ち向かわなければいけない課題として、人口学的構造と都市住民の高齢化対策が挙げられています。そうした背景から、私の研究で現代日本についての問題分析を行うことが適切だと認められました。具体的には、都市人口の減少と高齢化によって生じる都市資源の確保(サービス、施設等)及びこうした現象により民間・公共機関に課せられる土地開発計画問題が挙げられます。これらは、私のJSPS事業申請を支援してくださった、後の指導教官の所属する研究グループでも先決すべき課題とみなされています。

-日常生活および研究面での日本とフランスの違いについて教えてください。
フランス人研究者が感じるカルチャーショックの大部分は、その人のそれまでの日本やアジアでの経験と、受入研究室のある地方によって異なります。実際、日本での地域差はフランスよりも大きいです。

パリ圏に住む者にとっては、意外にも、日本での都市生活はアメリカの中規模都市での生活に比べるとカルチャーショックが少ないように思います。公共交通網が発達しており、また、商業サービスが充実しているおかげで徒歩や自転車での移動が可能で、地方暮らしでない限り自動車を持つ必要がありません。どんな都市でも日本は清潔で、住民が忍耐強いことに感銘を受けます。そして、交通機関の利用者の多くが居眠りをしています 。

何度か日本に滞在するうちに、日本とフランスの違いより、東京、大阪、京都の違いに敏感になってきます。京都は一見最も田舎の都市ですが、様々な活動を体験できる機会に恵まれ、関西でも例えば奈良や素晴らしい景観を持つ若狭湾のような歴史地区へもすぐに行くことができます。1年間滞在すると、日本人が四季の移り変わりを大切にしていることにも気付きます。スーパーに並ぶ商品、レストランのメニュー、お店のショーウィンドー、近所の住民が道の片隅に設えるお供え物など、月ごとに驚くほど景観が変わります。

科学的・学術的な点では、まず、受入水準の高さと研究環境の快適さに感動しました。立命館大学では院生室に個人デスクを与えられ(写真1)、コンピュータルームと図書館では多数のデータベースやソフトウェアが利用できます。大阪市立大学でも立命館大学と同様に、図書館は個人・グループの両方が利用しやすいように工夫されています。グループで勉強している学生達も静かで、物音が聞こえません。

 

写真1:立命館大学の大学院生室で。京都朱雀キャンパス(2012年11月)

研究室の温かい雰囲気はありがたく、入り口で靴を脱ぐような部屋もあり、自宅にいるような気分になりました!

一旦生活に落ち着くと、フランスと日本の地理学研究室に多くの類似点があることに気がつきます。例えば、国の統計局や各省庁の統計部門が膨大な量の数値を発表しますが、「オープンソース」や地理学的に詳細で希少価値の高いデータへのアクセス問題は、日本の研究室にとってもフランスの研究室にとっても財政的(データ入手)、法的(アクセス権取得)、社会的にとても重要です。そして、同僚と何時間も熱心に議論するような共通の話題はそれだけではありません!

-日本で一番印象に残ったことは何ですか?

JSPSが外国人特別研究員に与える奨学金には、日常生活に必要な滞在費の他に、物品購入、インタビューのテープ起こし、セミナー開催等に利用できる研究費も含まれており、そのおかげで研究を大幅に進めることができました。また、研究室やプロジェクトリーダーが行うようなロジスティクスや資金面についても学ぶことができました。このような研究費を含む奨学金を受けたのは初めてでした。この研究費は助手を「雇う」ことも可能だったので、立命館大学の学生とより密に協力することができました。その学生も海外の研究室で経験を積んだ後、日本で大学教員になりたいと思っているようです。研究交流、ネットワーク作り、論文執筆やその後の研究は、JSPSの支援がなければできませんでした。

京都と大阪での生活では、7月の祇園祭(写真2)やお正月等、重要なお祭りの際の盛り上がりに感銘を受けました。私達も日本や海外の友人と一緒に祇園祭を見物したり、お正月に神社へお参りして甘酒を飲んだり、お祭りに参加することができます。大学での受入状況によっては学生寮で文化的なイベントの情報を得たり、学生や研究者同士が集まって食事したりできるかもしれません(写真3)。

写真2(2012年7月)祇園祭期間中の京都市内の通り。暑さ対策をしっかりと!

写真3(2012年5月)春のバーベキュー大会。
立命館大学のインターナショナルハウス2号館の中庭で。

-日本の同僚と研究を続けていますか?

2013年6月にフランスに帰国するまで、JSPSの特別研究員としての日本滞在中は、大阪府南部(泉北ニュータウン)の都市資源へのアクセス問題と商業活動の後退についての地理学的情報に係る研究を完了するつもりです。この研究は、受入研究者の加茂利男教授の指導の下、中谷友樹教授(立命館大学歴史都市防災研究センター)の助手Shohei Nagataさん(立命館大学)と共同で行っています。

私達は本研究成果を、2013年8月4〜9日に京都で開催される国際地理学会で発表し、Paul Wale氏(リーズ大学)とCarola Hein氏(フィラデルフィア・ブリンマーカレッジ)の指導の下、英語での共著(Japanese Cities in Global Networks)の一部を執筆する予定です。

長期的には、大阪の都市圏に関する博士論文発表の後、都市資源と隔離されたいわゆる買い物難民問題の研究をしている日本人研究者と連携して、日本の様々な地域の事例や統計を基に体系的かつ総括的な地理学情報データベースを作りたいと思っています。こうした衰退地域に関するデータベースは、地理学者向けであると同時に一般向けのものです。その目的は

都市のガバナンス問題の解決に向け情報提供を行うことにあります。そして、日本の都市空間が衰退する過程における不公平な分配によって生じる社会格差や空間格差に立ち向かうことを目指します。

-未来のJSPSフェローへメッセージを

社会科学の博士課程学生は、毎日朝から晩まで研究室で過ごすことを強要されることは滅多にありません。大阪市立大学でも立命館大学でも、指導教官は文献調べや統計の解析は基本だとしながらも、私が現地調査をすることを勧めてくれました。こうして多大な自由時間を持つことには難しい面もあります。現地調査を進めるために相手先(役所、企業、NGOら)との約束を取り付けるのには時間がかかり、調査と大学での研究時間の配分を事前に検討しなければなりません。だからこそ、指導教官の許可を得、大学院のセミナーに出席することが大事です。そこで同僚や日本人学生とのつながりを深め、重要な情報を入手することができます。それは、現地調査に必要な英語や日本語を事前に上達させる機会でもあります。

日本で研究を始める前、日本の教官と学生の関係は、フランスよりも階級的な隔たりがあると聞いていました。しかし私の場合、大阪市立大学でも立命館大学でも、2006年に交換プログラムで滞在した早稲田大学でも、全くそんなことはありませんでした。教授と学生の距離は近く、一緒に飲み会(研究の節目に開く夕食会)に参加しましたし、時には先生のお宅に伺うこともありました。日本の各大学・各研究室が、それぞれ異なる研究環境とアカデミックな雰囲気を持っており、受入体制は保障されています。JSPSフェローの地位は高く、日本での滞在は計り知れないものとなるでしょう。

※原文はフランス語、JSPSにて翻訳しています。(2013年1月現在)